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食物の摂取によりアレルギー症状が出現する場合を食物アレルギー(食品過敏症)と
いう。アレルギー反応により口唇、口腔粘膜の接触皮膚炎様の症状から
気管支喘息、蕁麻疹、胃腸障害を引き起こすものまで様々な食物アレルギー
症状が見られる。時には血圧低下、顔面蒼白、呼吸困難、意識混濁など生命に
かかわる急激な全身のアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こす場合もある。
◇食物アレルギーの原因となる食物
卵、牛乳、大豆が食物アレルギーの3大原因物質と言われているが、小麦、
米を含めて五大食物アレルゲンと呼ばれる。その他には、ソバや、蟹、海老、
タコ、イカなどの魚介類、キュウイフルーツ、バナナ、柑橘類などの果物、ピーナツ、
アーモンドなどのナッツ類などが食物アレルギーを起こす。
赤ちゃんや小児と成人では原因となる食品に違いがあり、小児では卵、牛乳、
乳製品、小麦、甲殻類、魚介類が多く、成人では卵、牛乳が少なく、甲殻類、
魚介類、果実が多い傾向がある。また、卵や牛乳の成分から作られている薬剤
もアレルギーを起こしやすい。
◇食物アレルギーの症状
口腔アレルギー反応と呼ばれる。通常は一過性のアレルギー症状である。
食物アレルゲンが胃から腸に進み、悪心、嘔吐、腹痛、下痢などが起こる。
これらは接触アレルギーによるもので摂食直後に起こる反応である。次に、
食物が吸収され、血行を介して全身の臓器に運ばれてアレルギー反応が生じると
喘息、蕁麻疹などが起きる。時にはアナフィラキシーショック症状を引き起す事も
ある。これらは即時型食物アレルギーといわれ、食物摂取後60分以内に
起こる事が多い。
・腹痛
・腹鳴(腸から聞こえるゴロゴロあるいはピチャピチャいう音)
・下痢
・悪心
・吐き気、嘔吐
・胃けいれん
・腹部膨満感
・口、咽頭、目、皮膚、などの痒み
・じんま疹
・フラフラすること、失神
・頭痛
・鼻充血
・鼻漏(鼻炎)
・息切れ
・喘鳴
・嚥下障害
◇食物アレルギーの治療・予後
食物アレルギーの症状の重症度と発症形式によって治療法は変わる。
治療の目的は、症状の軽減と将来のアレルギー反応を予防すること。
軽度あるいは局所的な症状には、何の治療も必要ないことがある。
この症状は短時間でおさまる。抗ヒスタミン薬類は、多くの症状の不快感を
軽減することがある。鎮静作用を有するスキンクリームは、皮疹を軽減する
効果がある。症状がひどい場合は、ステロイドあるいはエピネフリンに
よる治療が必要な場合がある。アレルギーを起こす可能性のある食品を
摂取しないことが、アレルギー反応を予防する最善の方法である。
食物アレルギーは乳幼時期に多く、加齢とともに原因食物を摂取しても症状が
なくなる事が多い。米、小麦、大豆は比較的早く三歳までに耐性が獲得される
という結果もある。卵、牛乳はもう少し遅れるので、小学校低学年までは卵、
牛乳が重要な食物アレルゲンとなる。そして九歳頃には約8割の人が耐性を獲得し、
症状が軽快する。なお、耐性獲得は食物の種類によっても異なり、ナッツ類や
魚介類は耐性を獲得しにくいといわれ、成人ではナッツ類、魚介類、果物による
アレルギーが多く、特にソバは重篤なアナフィラキシー症状を起こすので、注意が必要である。